2010.02.06
海星を投げる少年
男は浜辺を歩いていた。砂の上には何千という海星 (ひとで) が浜に打ち上げられている。
ふと見ると、ひとりの少年が、ひとつひとつ海星を拾い上げては海に投げ返している。
男は物珍しそうにそれを見ていたが、やがて、何をしているのか と少年に尋ねた。
「海に戻してやるんです。そのまま放っておいたら死んでしまうから」 と少年は言う。
「どっちにしたって何千も死ぬんだ。そうやって何匹かだけ助けても仕方ないだろう」 と男。
少年は無言でまたひとつ海星をとりあげて海に投げ入れる。
それから言う、
「全部は救えないけど、ほら、でもあの海星は救われたでしょう」
ARKアーク (アニマルレュージ関西)
「A VOICE OF ANIMAL」 2009年 11月号より
ふと見ると、ひとりの少年が、ひとつひとつ海星を拾い上げては海に投げ返している。
男は物珍しそうにそれを見ていたが、やがて、何をしているのか と少年に尋ねた。
「海に戻してやるんです。そのまま放っておいたら死んでしまうから」 と少年は言う。
「どっちにしたって何千も死ぬんだ。そうやって何匹かだけ助けても仕方ないだろう」 と男。
少年は無言でまたひとつ海星をとりあげて海に投げ入れる。
それから言う、
「全部は救えないけど、ほら、でもあの海星は救われたでしょう」
ARKアーク (アニマルレュージ関西)
「A VOICE OF ANIMAL」 2009年 11月号より
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